2011年3月1日火曜日

「特別講義 コンサルタントの整理術」を読んで

特別講義 コンサルタントの整理術
特別講義 コンサルタントの整理術

三谷宏治さんの本。仕事術とかHACKSシリーズとかいろいろあって最近はすごいはやりだが,今回の三谷さんの本は「整理の思考法」を伝授してくれる良い本だった。本のなかでが紹介されているシゴトの渋滞、解消します! 結果がついてくる絶対法則を例にとり,仕事を自然現象の渋滞にたとえ,いかに対処するか裁くのかに関する思考法が語られている。

■「分ける」・「減らす」・「早めにやる」・「習慣」、にする
・渋滞の考え方と同じ。一番面白いのは、分けること。割り切りといっても良い。一日のうち何十分かはこれである。一日のうち何十分かはこれである。ならば、仕事を「価値を生む悩み」と「生まない悩み」に分けて、渋滞を減らす。
一番大変なのは「減らす」こと。対処すべき仕事が減らせるならそれば一番である。まさに整理術の王道。ゆえに地下道はないが、なんとかできれば効果は抜群。実際に一番必要なのが、「早めにやる」こと。早めに手をつけることで、仕事が驚くほどに楽になる。なぜなら、その仕事をやる気になったときだけ取り組めば良くなる。これ程高い生産性の高い状態はない。
「習慣にする」はその名の通り一番近道。目的意識とやる気を保ったまま、続けられるかが勝負だが、問題はあなた自身が勉強好きでいろいろ手を出す体質であった場合。まずは一つこのことを続ける決意と行動力を持つことが成功への近道になる。
分ける・減らす・早めにやることの大切さが分かる。特に最後の早めにやるというのは良くわかる。最初に軌道に乗せてしまうことの大切さが身にしみて分かる。軌道に乗っていると安心感からか仕事の効率があがる。

■悩む時間は無駄である
・高校時代の友人の話。昼飯を選ぶ際に、友人が放った一言。「いや、本当になんでもいいんだ。オレは、こだわること、そうでないことを決めている。食事はこだわらない。だから好きにしていい。」衝撃的な一言。世界が変わって見えた。
・人は「これをどうしようか」とか、あらゆることに対して「これは悩む」・「これは悩まない」と決めて分けてしまえば、多くの時間を無駄にしないで済む。悩んだら一歩下がって考えよう。これは悩むべきテーマか?
自分のなかでの判断基準を常に忍ばせておくことはとても大切。ここ一番の判断スピードや本当に使いたいものに思考を集中させることの大切さが分かる.

■自分の心を少しだけコントロールする
・本当に感情に振り回されないようにしたいなら、まずやるべきことは、「感情自体を認識すること」である。今自分は、怒っているのか、焦っているのか、羨んでいるのか、それを常に意識すること。それが、できたらもう半分勝ったようなものである。感情を押さえるものと、押さえないものに分ける。意味があるのか?価値があるのか?問い直してみる。
・① 悩んでも良くならない→悩まない 焦っても早くならない→焦らない
・これらは、ある意味割り切りであり、あきらめである。それは悩みには意味があるのかその焦りには価値があるのか?こう問い続けることが大切。
仕事ではくだらないことで悩んで一番重要な仕事に手がまわらない。本に真剣に考えなければならないことに十分な思考の時間がとれていないことが大きな問題なんだ。私自身日常生活や研究室での毎日の活動でもそれを感じていた。

■自分のこころの状態知る
・職場に限らず、まじめな人ほど困って悩んでいる。もっと適当にというわけにもいかない。だから、また悩む。学生の頃は、友人などが相談相手となるが、大人になると職場も違い、説明も面倒になって本当の相談はしにくくなる。でも同僚には打ち明けられない。とにかく、何に悩んでいるか分からないほど悩みの支配力は強い。だから、資料をつくる手はとまり、同僚・友人との雑談に逃避する。
・「越えるべきなのか、回避すべき落とし穴なのか、それが大きいのか、小さいのか、高いのか深いのか」そういったことすら分からなくなる。自分の悩みの状態を正確に把握することが整理へ第一歩なのだ。「いま自分は悩んでいるぞ!」という状態を意識しよう。ユーキャンの調査では、新社会人の悩みの上位は「人言関係のストレス」・「勤務環境」・「業績不振による報酬の伸び悩み」・「リストラなどによる失職」である。
自分のこころの状態に敏感になることがとても大切。BCGで膨大な仕事量を抱えながら成功を収めてきた三谷さんだから説得力がある。

■短期収納場所を確保する。
・メールの受信箱に一週間だけというのは、仕事の短期貯蔵装置の拡充は、全体の処理効率を上げるのに役立つ。渋滞でいうならば、慢性渋滞個所の手前にサービスエリアを設置して、そこに一時余剰な車を収納するといった感じ。個人的にいろいろ試してみて効果があったのは、書類棚、机、ディスプレイ3つである。
書類棚は、4が入る薄い棚がいっぱいあるやつ。これを積み重ねれば30種類くらいの資料があっという間に片付く。仕事の最中だけ維持し、終われば中身を捨てる。は、きれいにこしたことはないが、短期貯蔵庫として見直す。大きな机の両脇に資料を積んで、邪魔になったら片付ける。一番良いのが、通販のキッチンテーブル。奥行き90㎝、幅140㎝の机が2万で手に入る。最後のディスプレイは、21㎝のものを2台ならべて使っている。そうするとデスクトップの総面は25百平方㎝である。整理は基本的に時間が解決してくれる。そのために一時的な貯蔵庫を大きくして保存する。
たしかに問題は時間が解決してくれるのは事実。そのための貯蔵庫は大切だ。書類棚・机・ディスプレイの大きさにこだわっている。

■モチベーションを早めに上げる
締切前からモチベーションをどう上げるか?引き受けた仕事は、必ずしも楽しくわくわくするものではない。イヤイヤのものも多い。だから締切効果に頼ることになる。
そこで、ゴールのシーンをイメージする。ある種のイメージトレーニングである。それを繰り返し行って、危機感や期待感を紡ぎだすために、有効なのが張り紙。
パソコンに電子付箋。よく見る場所に締めきり期日を張る。大事なのは一覧性。一枚ですべてのイベントが分かることが大切。それ一枚ですべてのイベントが分かる。
締め切り効果とはよく言ったものだがこれは逆の発想。まだまだ先のイベントに向けてじわりじわりと,どうやってやる気をあげていくか。

■新人社員時代と現在
・新人社員時代は、「自助努力」と「先手必勝」ということ。まずは、自助努力、天命を待つのはそのあとでも良い。あと受け身の姿勢では絶対だめになる。自分からやらされ感はいっそう強まる。ミーディングが終わったら、指示を待たず、超高層でまとめを作り、次の作業計画案を作って提案でする。仕事の量や方向をコントロールする。先手必勝で土俵を作って、相手を自分の土俵に乗せるべし。そして現在。「悩むぐらいなら動いたら」常に背中でささやく自分がいる。
あとがきの言葉には重みがあった。これまでのキャリアから感じられる深みもあった。自助努力と先手必勝とはいい言葉。

【まとめ&感想】
非常に良い本だった。なんだか重厚感というか深みが感じられる一冊であった。先手必勝自助努力とは良い言葉。もともと理科系出身ってこともあり話もロジカルだしだてに戦略コンサル何十年もやってないことがわかる.さすが三谷さん。
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