2012年4月7日土曜日

「グローバル資本主義を卒業した僕の選択と結論」を読んで

グローバル資本主義を卒業した僕の選択と結論
グローバル資本主義を卒業した僕の選択と結論

書店でなんかおもしろそうなタイトルにひかれてパラパラめくった本。
石井さんは今まで知らなかったけど慶応幼稚舎っていう本を出したり、外銀から幼児教育の業界にシフトしたことで知られる。

■初歩的なことほどためらわず聞く
・人の考える力は質問する回数に比例する。
・なぜ?ほんとうに?どうやって?という気持ちが少しでも生じたらそれを必ずスッキリさせる
・知っている人が目の前にいたら質問攻めにする。
・知的なトレーニングを積んでいる人なら素朴な疑問に対して、目かウロコの答えをくれるだろう。
外資系投資銀行にいた際に筆者の苦労が良くかかる。ぎこちない英語で話しかけ仕事をものにしていった筆者の過去が良くわかる。

■傾向と対策の徹底
・日本の受験で培われる傾向と対策は仕事で役立つ基本的なスキル。
・過去のデータを分析して、自分の重点課題を考え、そのクリアに向かって効果的な方法を工夫する。
・要因を分析し、どこにエネルギーを注ぎ込むか決める。
受験を徹底して肯定する筆者の姿はなかなかおもしろい。たしかに東大医学部が語るならわからなくもない。

■人に教えられるレベル
・自分は分かったと思っていても、実は分かったつもりになっているだけできちんと理解していないことがある。
・「分かった」とは、どのような状態を指すのか?僕の定義では、同じこと類似のことを何度でも繰り返してできる状態を意味する。すなわち「再現性」がある状態のこと。
・頭脳労働型の仕事で本当に分かったというレベルに到達するためには、他人に教えるということが大切である。
・人に教える機会がない場合でも教えるつもりで何を聞かれても答えられるレベルを目指す。
言葉に発して人に教えられるレベルにするという感覚がすごく大切。中学や高校受験勉強をやっている際にこの感覚の大切さについて学んだ。

■常識に風穴をあける
・常識や業界の慣習ほどダメな人たちの言い訳に使われる。
・「当然のこと」と信じていることに疑いの目を向けそれが本当に適切なのか根本的に考え直し、前例の有無などを気にしないで、ベストな方法を取り入れる。
常識を理由にことを終わらせないようにする。

■衝動を大切をする
・自分の中の衝動や勢いを大切にすること。自分に妥協することを覚えた人よりも、若気の至りで突っ走るクセがある人の方が自分にとって快適な場所を見つけられる確率が高い。
・衝動のような強い思いと、勢いがないと新しい世界は開かれない。
世の中を動かすのは確かに衝動だろう。時代を切り開いてきた人たちはみんな衝動に駆られて動いてきた。

■芋づるは一気に引っ張る
・自分の知識や思考法をバージョンアップしてくれる発見があったらそれを追跡してくいく。
・そこにはイモが連なっているかもしれない。大きなイモが出てこなかったらあの時引っ張らなかっららという後悔が残らないようにする。
・時間と費用が予定オーバーになったとしても、足を延ばしみるようにしている。
福沢諭吉の学問のススメに感動し、生まれ故郷や墓にまで訪れた著者の心意気が良くわかる。
興味を持ったものはとことん引っ張り上げて調べてみる体験してみるこの衝動と行動力が大切なのだろう。

【まとめ&感想】
・筆者の生き様のわかる著書だった。また石井さんに興味を持つきったけとなる一冊であった。

2012年1月21日土曜日

「超図解「財務3表のつながり」で見えてくる会計の勘所」を読んで

超図解「財務3表のつながり」で見えてくる会計の勘所
超図解「財務3表のつながり」で見えてくる会計の勘所

國貞さんの本はわかりやすい。新書の財務3表シリーズがとにかくわかりやすいのだがそれを図解ベースに落としてきてさらにわかりやすくしたもの。減価償却費やキャッシュフローの考え方、資産計上・費用計上なのかなど、3表をつながりとして考えることの大切さを語っている。

■3つの利益と5つの収益
・本業の利益を営業利益、本業及本業外の活動を合わせて経常的に上がってくる利益を経常利益、そして当期の利益に税引前のものと税引後のものとがある。
・販売費・一般販管費とは、人件費、交通費、通信費、事務用品費、のこと。
・経常利益とはケイツネともいわれる。会社が本業及びその他の事業活動により常日頃、経常的に稼ぎ出す利益のこと。この経常的に獲得した利益である。

■PLとBSとCSはどうつながっているのか?
・PLの当期純利益がBSの利益剰余金のなかの繰越利益剰余金とつながっている。もっと正確にいうと、配当や内部留保などが行われ、その後に残った利益がBSの繰越利益剰余金へつながっていく。
・BSの右側は「どのようにお金を集めてきたか」を表し、左側はそれ「どのような形で会社の中に存在しているか」を表している。BSの右側の合計と左側の合計は一致する。
3つの財務諸表は全部つながっており、自由自在に動かすことができる。当期純利益がBSとPLのどことつながっていくのかが理解できる。

■会社を設立して銀行から借り入れをするとPLに変化はあるか?
・資本金として50万円のお金を集めてきて、それば今現金のかたちで存在会社で存在するということを表している。
・BSの右側の現金の動きが伴う項目が動くと、基本的にはCSの財務キャッシュフローが動く。

■債務超過とは会社がどんな状態になっているか?
・新たに取引をする場合にまず何をチェックするのか?「その会社がちゃんとお金を払ってくれそうかどうか」を見る指標として流動比率というものがある。
・PLの当期利益とBSの利益剰余金はつながっている。すなわり毎年利益を出していれば、利益剰余金が積み増しされている可能性もある。
・毎年赤字の会社はどうなるか?赤字がでている会社は利益剰余金がマイナスになる。
・純資産の部がマイナスになっている会社を債務超過の状態になる。BSの左側の資産の部に記載されているがくですべて売却し現金化できたとする。この会社のすべての資産を現金化してみても、これは1年以内に返済しなければいけない流動負債と固定負債の一部にしかならない。
つまり、純資産の部がマイナスになっていることをいう。
入社したてのころ、債務超過について理解できていないとよく指導された。言葉尻はわかっていて本質的な意味を理解できていないとの話だ。

■株主資本変動計算書とは何か?
・これらの配当も含めて、期中に何度も変化する株主資本の変化をまとめて表しておくために、株主資本変動計算書なるものから作られることとなった。
・通常1年の事業年度のなかでどのような変動要因によってこの株主資本の計数が変化したかを表しのが表したのが株主資本計算書である。

■「費用計上しても現金がでてこない」とはどうゆう意味か?
・期首にコンピューターを40百万購入し、コンピュータを利用して売上を上げるとする。ただし、このコンピュータを使って来年も再来年も売上を上げていく。今期に40万円として計上してしまうと、来年以降はコンピュータの費用が計上されないということになる。
・毎期の損益が正しく計上されなくなってしまうため、そこで考案するために生み出されたのが減価償却の考え方。
・今期、コンピュータの価値の10万円分を使って仕事をしたのだから、減価償却費の計上に対応して、帳簿上のコンピュータの価値が10万円下がる。これでBSのバランスする。
減価償却費もよく概念が理解できずに指導された。この本があれば1冊で理解できただろう。

■PLの5つの利益から会社の特徴がわかる
・販売する商品やサービス自体に競争力がある。つまり売上原価よりかなり高く販売できる。売上高粗利率は業界によって異なるが同じ業界の中で売上高粗利率が高い会社は、
・借入金が少なく営業害費用が少なく、配当や賃貸収入などの営業外収益が多い会社は営業利益より経常利益の方が多い。
・基本的な中小企業は営業外費用が営業外収益の方が少ない会社の方が多い。売上高営業利益率より売上高経常利益率のほうが高い会社もある。伝統のある優良企業はこのような形が多い。つまり、毎期の営業キャッシュフローがプラスの会社、つまり本業によってたくさんのキャッシュを生み出してきた会社はそれを借入金の返済に充てるから、営業害費用の支払利息が少なくなる。さらにお金はそのまましておかず、株式や不動産を購入してその配当や賃貸収入などが営業外収益として入ってくる。
どこから利益を得いている会社なのかを見分けるには5つの利益に着目する。

■費用計上か資産計上か?
・社長がだれにも迷惑をかけずに利益を簡単に増やそうとすればまずは役員報酬をゼロにする。そのかわり、短期貸付金で社長への報酬を賄う。もちろん会社にキャッシュがあればの話。
・繰延資産も同じように利益操作に使われる場合がある。開発費は、基本的にはその期のPLを悪化させることなく社長に現金を渡せる。
・現金が出ていけば、それはPLの費用として計上され利益が減り、BSの資産としてしまえば、PLを悪化されることなくBSをバランスさせることができる。
・BSの左側の保証金や前払費用といった項目に会社をため込んでいる会社がある。莫大な繰延資産を計上していればこの会社は経営が苦しいんだなと思ってほぼ間違いない。
費用計上するか資産計上するかは大きな問題だ。合法的に財務諸表をいじってなんとかすることができる。ある意味グレーゾーンだ。ライブドアなんかは自社株売却益を利益として計上していたことが大きな問題となり、事件となった。

【まとめ&感想】
一企業の財務担当者として、コンサルティング業務の担当者として強い情熱が伝わってくる一冊。財務・会計をわかりやすく理解し、実践するためには必要な1冊。何度も読み返して理解しておきたい。

2011年12月23日金曜日

「働く君に贈る25の言葉」を読んで

働く君に贈る25の言葉
働く君に贈る25の言葉

人生でこんな苦労している人がいるのかと考えさせられてしまう1冊。そんな佐々木さんが書いた1冊だから重みがある。重厚感がある。読み応えがある。
ワークライフバランスの祖とされる佐々木常夫さんが若者に贈る1冊である。

■「目の前の仕事」に真剣になりなさい。
・仕事を甘く見ていた。自分の事務処理能力を過信していた。凡ミスを連発した。だからしょちゅう上司に怒られたものである。
・「こうすればもっと効率的にできるのではないか」・「こうすればもっと質の高い仕事ができるのではないか」と私なりに工夫するようになる。
・目の前の仕事を一生懸命やる。
・どうゆう経緯であってもその会社に入ることを決めたのは君自身である。それを運命だと思って目の前の仕事に真剣に取り組む。
この言葉はぐグサット胸にささる言葉である。「この会社を選んだのは君だ」そう言われたらおしまいである。運命を素直に引き受ける。

■「思い込み」は君を間違った方向に連れていく
・上司が何を求めているのかきちんと把握する。たぶんこういううことだろうと決めつけるのはダメ。
・①仕事をやる前に聞く、②仕事の途中で聞く、これを実行するだけで多くの無駄を減らすことができる。
決めつけをしない。頭の中で反芻させる。事実を明らかにするなどが大切。

■よい習慣は才能を超える
・いい仕事はしたければ一歩先の行動をとること。
①早く起きること:はじめはしんどいかもしれないが、慣れればどうってことはない。目覚めると体操をするベランダに出てゆったりとした気分で体を動かす。
②余裕を持って行動する:電車や飛行機が時間通りに運行するとは限らない。余裕を持ってお客様と商談する。一歩先の行動によってさまざまなリスクを回避できると同時に多くのメリットを得ることができる。
・君がライバルに勝つためにはよい習慣を身につけることが大切である。
一歩先の行動の大切さを説いている。先手必勝と自助努力とは良くいったものでとくにかく先まわって抑える努力が大切である。

■逆風の職場こそ君を鍛えてくれる
・仕事はやって見なければ分からない。とにかく、目の前にある仕事を運命だと引き受けて、力を尽くせば必ずそれなりに道が託される。日陰と思うような部署を歩んだ方が強くなれる。
・本流からちょっと外れた道をゆくぐらいがちょうどよい。
・皆が君のことをじっと見ている。あいつはがんばっている、あいつは根性があると認める人が必ず現れる。
・何より「真摯であること」が大切。責任を持って誠実に遂行する。仕事でミスをしたら関係する人にきちんと謝る。そうした真摯な行動をとることが周囲の人との信頼関係を築き上げる最短の道。
・プライベートな人間としての良質なコミュニケーションをとることも大切。会社では仕事をし、その結果を出すことが求められている。映画やスポーツ、旅行など個人的な趣味を持ち、そうした時間を大切にしたいと思っている。
・君がその人に対して人間的な関心を抱き、じっくり耳を傾ける姿勢を示す。
逆風で働く若者へのエールがつづられている。同期の配属先と自分のこれまでのキャリアを振り返り何が大切なのかを書きつづっている。

■信頼こそ最大の援軍
・職場の人とプライベートをともに過ごすことはとても良いこと。なにしろ、
・仕事を効率化したければ、同僚との信頼関係を築くこと。
・君は信頼関係を築いていない上司にトラブル案件の報告ができるか?
相手から信頼されているとう感覚が大きな力になる。


■プアなイノベーションより優れたイミテーションを
・仕事のやり方を身につければ、少しぐらいの能力の差は克服することができる。
・尊敬される人がいる。その人の行動に注目する。その人が何時に出社するのか、どんな話し方をするのか、どんな風に電話をしているのか?そこに注目する。
・優れた仕事をしてる先輩のやり方をとことんまねる。凡を極めて非凡になる。
仕事は同じことの繰り返しだからこそ、イミテーションが大切。真似を徹底する。とにかくひとつひとつ続けること。

【まとめ&感想】
佐々木さんは極めて日本人的である。人としての温かみがある。どうやればうまくいくのか日本人の目線で語りかけてくれる。ただの仕事のスペシャリストではなく、家庭面との両立、人としての幅の広さが感じられる。佐々木さんの愛読書であり、本書とのタイトルの良く似る一冊を以下に。
ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫